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PROJECT STORY

アロンアルフアWebCMプロジェクト

“やりきる意思”があるから、
壁を乗り越えていける。

瞬間接着剤の代名詞、アロンアルフア。誕生してから半世紀以上の、超ロングセラー商品である。だが、近年は若年層での認知率の低下という課題を抱えていた。この壁を打ち破り、商品に新たな生命力を与えるべくスタートしたのが、WebCMプロジェクトだった。それはまさに“胸キュン”にして“胸熱”なチャレンジ。

PHASE 01

PHASE 01

過去に安住するな

“なんだ、こりゃ?”。試写会に出席した面々の表情には、そう書かれてあった。戸惑いのあまり、室内の空気は冷え切っている。その空気の中を漂うたくさんの“?、?、?”…。だが、その“?”は、やがてSNSの中の無数の“いいね!”に変わっていくのだった。
その1年前、アロンアルフアのプロモーションを担当している中島と新藤は、あるマーケティングデータを前に頭を悩ませていた。「20代以下のアロンアルフアに対する認知度が明らかに低下している」。腕組みしながら中島が口にすれば、「このままでは将来のお客さまを失いかねませんね」と新藤は眉根を寄せる。「マズいな…」「マズいですね…」。じわりと2人の背を冷たい汗が流れていく。
1971年発売の家庭用アロンアルフアは、TVCMによる圧倒的な認知とそこから得られたブランドへの信頼性に支えられてきた商品だ。特に「ゴルフボールの上で回るコマが一瞬でくっついて止まる」「ウィリーしながら登場したバイクが木の柱にくっつく」といった実証広告シリーズは昭和のお茶の間に大きなインパクトを与え、数々の広告賞も受賞。皆さんのご両親もきっと記憶されているはずなので、ぜひ尋ねてみてほしい。「ああ、あれね」という答えが返ってくるはずだ。
このように40代以上の消費者の心には、アロンアルフアは強烈なTVCMとともに刷り込まれている。だが、マーケティング調査をしてみたら、若年層、特に20代以下の消費者には、そんな刷り込みができていないことが判明したのである。このままではアロンアルフアに未来はない。2人は意を決して立ち上がるのだった。

PHASE 02

PHASE 02

とことん突き抜けろ

「若年層の媒体別接触率やSNSでのコミュニケーション実態を調査し、スマホに対する媒体接触率の高さから、Web広告を検討することにした」と中島は結論を出した。未来のコアユーザーを育てるためにはTVではなくWebが媒体として適しているという判断だ。いまどきの若者はテレビよりスマホ、というのは皆さん自身が皮膚感覚として知っているだろうが、ビジネスで重要なのはロジックだ。マーケティング戦略を立てる上で、調査に基づく数字の裏づけは必須となる。
そんな中島の決断を後押しするように、新藤がある発見をする。
新藤は「高校生や大学生が、永遠の絆を誓うフレーズとして『#アロンアルフア』をSNSで投稿していることに気づいた。物理的な接着だけでなく、友情や愛情といった情緒的なつながりを表現することで、アロンアルフアをアピールできるのではないか」と考えていた。
中島のロジックに対して、これは新藤による発想のマジック。このロジック+マジックによって、チャレンジの道筋が見えてきた。“アニメを使った胸キュンラブストーリーのWebCM”というコンセプトである。
このコンセプトのもと、広告代理店の協力を仰ぎながらキャラクター、シナリオ、絵コンテと具体的な制作作業が始まった。この段階でメンバーに加わったのが入社2年目の吉本だ。「年齢的にターゲットに最も近い立場としてアイデア、意見を求められた。先輩2人が判断に迷ったとき、「面白いですよ、これ!」と背中を押す役目もできた」と言う。 実際のWebCMを見てもらえばわかると思うが、CM中には、ビルの名前が929(くっつく)、ピアスの形が東亞合成の“亞”など、さまざまな小ネタが散りばめられている。笑えるCMにはしたいが、だからといって悪ふざけでいいわけではなく、商品特性はしっかりと伝えなくてはならない。何よりも、差別やいじめなどを助長する小ネタは絶対に許されない。例えば“仮止め女”という表現は、女性蔑視につながらないかととことん議論した末に採用となった造語だった。
CMは、こうした緻密なチェックを繰り返すことによって仕上がっていった。ロジック+マジックにチェックが加わって、3人のチャレンジはさらに成功の確度を上げていったのである。

PHASE 03

PHASE 03

正面からぶち当たれ

「徹底的にくだらなくウケる!を合言葉に、真剣にふざけながら制作した。完全に振り切った内容になったと思う」と中島は語る。
だが、そんな自信に冷水をかけられたかのような思いになったのが、社内での試写会。冒頭で紹介したシーンである。
完成した動画を部内でお披露目したのだが、終了後、中島の「…という胸キュンストーリーでございます」の一言に誰も反応せず、漏れたのは「恥ずかしくなった…」という50代管理職の一言のみ。室内は冷え切ってしまって、「マズい、やっちまったか!と思った」と中島、吉本はそのときの心境を振り返る。
だが、ここまできて、引き返すわけにはいかない。3人は「若年層がターゲットだから、おじさんたちの反応が薄いのも仕方ないよ」と互いに慰め合いつつ、声優による音入れ作業などを続ける。
そして迎えた社長、副社長へのプレゼンテーション。大役を担った中島、新藤は、先の試写会と同じような空気になったらと案じ、「イヤだなあ、やりたくないなあ」と思いつつプレゼンテーションに足を運んだのだった。
「…という胸キュンストーリーでございます」
試写会と同じ言葉で社長、副社長への上映を締めくくった中島。その耳に届いたのは、苦笑しつつも「若い子がいいっていうなら、やってみたら」という言葉だった。経営トップから直々にGOサインが下ったのである。
アロンアルフアへの圧倒的な認知と信頼性を得ることに成功したかつての実証広告シリーズとは真逆ともいえる、アニメという究極のフィクションの世界で徹底的にふざけた妄想的CMだ。それに対してOKが出たことに中島は驚き、そして、東亞合成という会社の懐の深さ、度量の大きさに改めて感じ入ったのだった。

PHASE 04

PHASE 04

胸を張って突き進め

2018年5月23日。日本映画で初めてキスシーンが登場したことから“キスの日”と制定されているこの日の深夜、アロンアルフアのWebCM「胸キュンラブストーリー『君に、くっつけ!』がリリースされた。
配信開始の深夜0時から、中島はYouTubeの視聴回数と視聴者のツイートを明け方まで確認。「すごい勢いで数字が伸びていくのをリアルタイムで目にし、興奮でほとんど眠れなかった」と中島は振り返る。
事前にネット系ニュース各社に告知するなどの仕込みも功を奏し、アロンアルフアはたちまちバズワード化。猛スピードで拡散し、Twitterのトレンドワードの上位に顔を出すことにもなった。
狙った通り10代、20代の若年層に圧倒的な支持を持って受け止められ、公開2週間で再生数1,000万回を突破。2018年上半期のYouTubeの広告賞で第3位を受賞したほか、多くの賞を獲得することができた。また、ネットニュースや雑誌等はもちろんのこと、全国ネットのニュース番組にまで取り上げられ、新藤、吉本はその取材対応にも追われることになった。その忙しさは、まさに嬉しい悲鳴だった。
その吉本は「友人から“東亞合成って、こんなCMもつくるんだね”と言われたのが嬉しかった。社員にチャレンジさせてくれる会社というイメージを社外に伝えられたと思う」と語る。中島も「お客さまから“東亞合成らしくないですね”と言われて、誇らしかった」と胸を張る。

世界を驚かせろ

アロンアルフアのWebCMシリーズはこうした大きな反響をバネに、友情をテーマにした第2弾『接着ナイン』、家族愛をテーマにした第3弾『ツキの神様』と制作・配信された。いずれも「くだらない!」「ウケる!」と圧倒的な評価を得て、今現在も拡散を続けている。もちろん「なんだ、こりゃ?」の声も多いが、それは今では「いいね!」の同義語だ。
一方で第4弾として吉本が中心となり制作した『アロンアルフアイター!』が2019年夏に配信された。ご覧になった方は、それまでと微妙にテイストが異なることに気づいたかもしれない。実はこの第4弾は海外マーケットを意識して制作されたもので、アメコミ的なテイストが盛り込まれているのだ。
現在はアロンアルフアの海外展開プロジェクトのリーダーを務める中島は「東南アジアに出張して現地の人たちに『君に、くっつけ!』を見せるととても面白がってくれる。海外でアロンアルフアの拡販に取り組む中、この第4弾をプロモーションに活用できれば」と狙いを語る。
「このままじゃいけない」という危機感から生まれた新しいチャレンジは、コンテンツの強烈な破壊力を武器に、アロンアルフアに新しい成長力をもたらした。世界中で「なんだ、こりゃ?」の声が飛び交う日も近い。

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