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PROJECT STORY

リチウムイオン二次電池用バインダー
開発プロジェクト

未開の地だからこそ、道は自ら拓いていく。

電気自動車に不可欠な次世代型電池であるリチウムイオン二次電池。東亞合成では、その性能の向上に大きく寄与する用品であるバインダーを開発した。東亞合成が強みとする素材を活かしての開発ではあったが、実は電池という分野そのものは知見のない未開の地であった。しかし、先の見通せない中でも怖れることなく進み続けたことで、ブレークスルーは生まれたのだった。

PHASE 01

PHASE 01

強い危機感のもとでの出発

「電池だって? 我々にとってまったく未知の分野じゃないか!」。2014年、「リチウムイオン二次電池用バインダー開発プロジェクト」に自分がアサインされると聞いたとき、斎藤の胸に湧き上がったのはそんな驚きだった。
話は1年前に遡る。東亞合成では次世代の柱となる製品を開発すべく、アクリル酸の活用を意識したアクリル事業強化プロジェクトが発足した。「背景には、強烈な危機感があった」と振り返るのは長谷川だ。
長谷川は「化学メーカーの開発競争は熾烈さを増しているが、自分が入社して以来、当社では大型の新製品が育っていない。このままじゃ生き残っていけないという強い思いが社内にはあった」と言う。そんな危機感のもとで発足したのが大型テーマ探索プロジェクトだったのだ。
そして1年をかけて探索が行われた結果、立ち上がったテーマは3つ。その中の一つが、東亞合成の持つ高分子合成技術を活かしてリチウムイオン二次電池用バインダーが開発できないか、というプロジェクトだったのである。
とはいえ、東亞合成はそれまで電池の市場にはほとんど無縁で、知見はまったくない。斎藤は素人同然と言ってもよかったという状態であった。成功の保証はない。それでも次世代の柱を育てるためには、リスクを怖れずにチャレンジする以外にない。プロジェクトに参画することを命じられた斎藤は「わからないからこそ、がむしゃらにトライすべきだ」との決意で一歩を踏み出したのだった。

PHASE 02

PHASE 02

執念が実ったクリスマスプレゼント

プロジェクト発足当時、リチウムイオン二次電池の市場は急拡大の時を迎えていた。脱二酸化炭素の流れの中、電気自動車(EV)用のニーズが急速に高まっていたのである。このリチウムイオン二次電池の電極活性物質を接着する材料がバインダーだ。だが、後発プレーヤーである東亞合成が先行メーカーに追いつくには、他社にない強みを持つ製品を開発しなくてはならない。電池についての知見のない中でスタートしたプロジェクトは当初から苦しみの連続だった。
「素材を開発してはお客さまに評価してもらい、ダメ出しされてまた別の素材でやり直すことの繰り返しだった」と斎藤は語る。その間、実に1年半。先の見えない長いトンネルの中、斎藤たちはもがき続けたのだった。
だが、明けない夜はない。斎藤たちは、別のテーマで開発された新材料をちょっと拝借してみることを思いつく。それは東亞合成が強みとする材料を従来の発想にはない方法で使用する非常にユニークな思いつきだった。テーマの垣根を越えて情報共有が自然に行われていることは、東亞合成ならではの風通しの良さの表れだ。そして、このトライが望外の結果をもたらしたのである。
忘れもしない12月24日の夕方、お客さまが「素晴らしい結果です、信じられない!」と興奮しながら電話をかけてきたのである。斎藤は「ラッキーパンチだった」と笑うが、1年半という長い期間、結果が出ない中でも挫折することなく素材開発に挑み続けた斎藤の執念が呼び寄せた勝利だったのは間違いない。この電話は、まさに忘れられないクリスマスプレゼントとなった。

PHASE 03

PHASE 03

“えっ、1年目の私が”と絶句

「クリスマスが過ぎ、2016年が明けてからは怒涛の日々だった」と長谷川は当時を振り返っていた。
お客さまの高評価を得たことで量産に向けた製造方法を確立するフェーズに移行したが、その期間は東亞合成として経験したことがないほどの短さだった。それほどリチウムイオン二次電池の市場の競争は激しく、お客さまも待ったなしの状態だったのである。
ここで力を発揮したのが、入社2年目にこのプロジェクトに配属され、高分子の構造や機能について設計から合成、評価までを任された日笠山である。
日笠山が特に苦しんだのは開発品の特性評価だった。なにしろ東亞合成社内に電池に関する知見がないのだから、社外にヒントを求めるしかない。日笠山は電池のコンソーシアムや大学など、あらゆる手段を通じて評価方法を学び、東亞合成になかった評価方法を導入することに成功したのである。「まずやってみるというチャレンジ精神が養われた」と日笠山は言うが、入社2年目ながらこれほど責任あるミッションを託され、見事にその期待に応えてみせたのだった。
もう1人、大きな使命を課されたのが、上司に「数ヵ月後に倍の生産ができるようにしてほしい」と言われて、「えっ、1年目の私が?」と絶句したという藤井である。藤井も入社1年目からプロジェクトにアサインされ、製造の管理を任された。安定した品質で製造を行うための知見は、仕事をしながら自分で身につけていかなくてはならない。藤井は稼働中の工程に立つオペレーターと協力しながら製造ノウハウの確立に挑戦。そのノウハウはやがて立ち上がる専用プラントの設計に反映されることになる。

PHASE 04

PHASE 04

社会のために、地球のために

日笠山が確立した評価方法は、東亞合成にとって初めてのものとなる。藤井が築いた製造ノウハウも同様だ。つまり若手2人が無我夢中で取り組んだチャレンジは、東亞合成の歴史に確かな足跡を刻むことになったのである。「電池は東亞合成にとっての初めてのチャレンジだから、先輩も後輩も関係なく、誰にとっても未開の地を進むことになる。もちろん我々もしっかりフォローするが、若手にこそ任せたいと考えた」と斎藤は語る。
その期待に応え日笠山は「電池の分野で、評価のスペシャリストになりたい」と志を口にし、藤井は「まずはノートラブルで製造できるようにすること。“何か困ったことがあったらアイツに聞けばいい”と、誰からも頼りにされるようになりたい」と胸を張る。
東亞合成ならではの高分子合成技術のノウハウを活かし、他社にないユニークな素材・方法でのバインダー開発に成功したこのプロジェクト。開発されたバインダーを用いたリチウムイオン二次電池は、電池の容量拡大及び耐久性向上に大きく寄与することになった。つまりこれまでの電気自動車の課題の一つであった航続距離の延長に大きく貢献することになり、ひいては二酸化炭素低減による環境負荷低減を推進することになる。それはプロジェクトに関わったメンバー全員の大きな誇りだ。

世の中に価値ある何かを送り出す

長谷川は「私たちの生活は多くの化学製品に支えられており、化学メーカーでの仕事は世の中の役に立つことを実感できるはずだと考えて、この業界を志望した」と話す。
斎藤も「自分の開発した材料が世の中に貢献していることを強く実感できる」と話している。実際、このプロジェクトで開発したバインダーが使われている電気自動車は既に街の中を走っており、その姿を見かけると斎藤は「非常に嬉しくて、誇らしい気持ちになる」そうだ。
そして、化学メーカーならではのそうした貢献を、ごく若手の時期から体験できるのは、東亞合成ならではの魅力だと長谷川は言う。「誰でもチャレンジできるし、1人ひとりが主役として仕事に取り組める。今後も、今回のプロジェクトのような成功体験を多くの若手社員に持ってもらえれば」。
そんなチャレンジの扉は誰にも大きく開かれている。

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