2003年10月20日

抗菌剤「ノバロン」SARSに効果

東亞合成が、かねてより製造販売してきました銀系無機抗菌剤「ノバロン」に、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウィルスに対する生育抑制効果があることが分かりました。このほど、SARS研究の世界的権威である中国政府系ウィルス研究機関でその効果が確認されたものです。(特許出願済み)

ノバロンAQ300の電子顕微鏡写真

銀系無機抗菌剤「ノバロン」(成分:銀リン酸ジルコニウム)は、優れた抗菌性能とともに、米国食品医薬品局(FDA)および米国環境保護庁(EPA)の認可を受けるなど、高い安全性が評価され、国内外の多くの抗菌加工製品に採用されています。

また、HIVウィルスに対する不活性化効果も実証されていることから、新型肺炎SARSにも有効ではないかと、SARS研究では世界的にも権威のある中国政府系ウィルス研究機関(北京)に評価を依頼したところ、このほどSARS発症の原因であるヒトコロナウィルスに対して生育抑制効果があるとの報告が得られました。

同研究機関によると、今般中国で発生したSARSの患者から採取した2種のコロナウィルスを用いたVERO E6細胞に対する培養試験において、「ノバロン」が、いずれのウィルス株にも不活性化効果を示したということです。

具体的には、「ノバロン」をウィルスに4時間接触させた場合の最小生育阻止濃度(MIC)が、23.4μg/mlという結果が得られています。(特許出願済み)

この結果を元に、東亞合成は、今秋冬にも再発生が懸念されているSARSの感染予防用に、「ノバロン」による医療、食品、住宅関係を中心とする各種製品の抗菌化を提案し、販売を促進するとともに、再流行予防の一旦を担いたいと考えております。

用途例
マスク、フィルター、医療用の衣料、病院や公共施設の壁紙、シート、フィルム、塗料、床材、什器、ファイルなど