1998年6月17日

SC JHONSON POLYMER社とアクリルポリマーの低コスト・環境対応型製造技術で提携

東亞合成とSC JHONSON POLYMER社は、SC JHONSON POLYMER社が開発し、全世界に特許権を保有するSGO(Solid Grade Oligomer)ポリマー技術に関するライセンス及び共同開発契約を締結しました。この契約のもとに、SGOポリマー技術を基盤とした製品開発を、日本を含むアジア地域で共同展開していくとともに、SGOポリマー技術の応用と拡大を目指して、共同研究開発プロジェクトを発足させます。開発する市場分野はコーティング、接着剤、プラスチック、電子材料、分散剤などです。
SC JHONSON POLYMER社はSC JHONSON COMMERCIAL MARKETS社のポリマー部門で、印刷、包装、コーティング、接着剤用の樹脂を製造・販売しています。

SGOポリマー技術とは連続塊状重合技術で、この方法によれば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸、スチレン、ビニルエステルなどのビニルモノマーを原料に、比較的低分子量のポリマーが得られます。その特徴は次の通りです。

  • 数分~数十分程度の滞留時間でポリマーが生産できるので、従来の方法に較べて製造コストを大幅に削減できる
  • 溶剤や開始剤などを使用することなく重合できるので、耐久性などを有する高品質のポリマーが製造できる
  • 容易に低分子量のポリマーが得られるので、環境問題や省資源の要請に叶うハイソリッドや無溶媒の重合物組成が可能となる

東亞合成は水溶性、エマルション、溶液系の多岐に亘るアクリルポリマーを製造・販売していますが、この技術導入により、製造技術の体系化と差別化および新しいアクリルポリマー製品の開発促進が可能となり、同社が進めるアクリル系ポリマー技術の差別化とコストダウン、アジア地域への事業展開に弾みがつくものと考えています。

東亞合成はこの契約に基づき、SGOポリマー技術のプラントを自社内に建設し、本年度から本格的な市場開発を開始する予定です。
SGOポリマー技術を利用した日本における市場開発は、分散剤、土木資材など東亞合成の得意な分野については東亞合成独自で行い、印刷、包装、コーティング、接着剤、プラスチック、電子材料分野についてはSC JHONSON POLYMER社と東洋インキ製造株式会社との合弁会社であるジョンソンポリマー株式会社(東京都大田区大森北2-4-18 社長:大槻 章)と共同で開発します。
東亞合成はこのSGOポリマー技術による事業展開によって、2000年以降、印刷・塗料・分散剤などの用途に、アクリル系ポリマーとして数万トン/年の需要を見込んでいます。

SC JHONSON POLYMER社の概要
住所 Sturtevant Wisconsin, USA
事業内容 印刷、包装、コーティング、接着剤用の樹脂の製造・販売
従業員 450名
社長 David C. Sanders